「こうぜい」は和様の書にみられる、隅々にまで書き手の心遣いが行き届いた繊細な文字表現に学び、生まれました。一文字一文字への真摯な眼差しが求められるその組版は、時に悩ましく、しかし新鮮で刺激的な経験になることと思います。
「こうぜい」は和様の書にみられる、隅々にまで書き手の心遣いが行き届いた繊細な文字表現に学び、生まれました。一文字一文字への真摯な眼差しが求められるその組版は、時に悩ましく、しかし新鮮で刺激的な経験になることと思います。
書における文字のつながりは、欧文の筆記体などとは異なり、文脈に依存しません。文字のつながりの切れ目は言葉や単語の切れ目とは無関係に存在し、書き手ならではのリズムが感じられます。
また、一文字一文字は自由に変化するのではなく、その文字が前後の文字とつながるかどうかによって、形の変化の傾向が見出せます。
すなわち書き手は文字のつながりをコントロールすることで、言葉を書き手独自の文字の形で綴り、その感性を視覚的に表現していると考えられます。
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「こうぜい」の仮名は一文字につき、文字のつながりの中で前後それぞれが「続く」か「続かないか」の違いがある、四種の形を持っています。
四種の仮名は前の文字の収筆が次の文字の起筆に向かっているように感じられる、「実線」ではなく「意識」のつながり、「意連」をつくり出します。
一方で、そうした「意連」に対し、二、三文字が実線ではっきりとつながった「連綿」を持つ、合字も制作することで、さらに表情豊かな組版を追求しています。
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❖字種一覧
一文字打つごとに、文字の流れをつなげる/切るの二つの選択肢があるため、組版のパターンは倍々に増えていきます。合字、変体仮名を含む471字によって、同じ文章でも書き手次第で全く違った表現が得られるのです。
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文字パネルを表示します。
1. フォント「NF こうぜい Sp1」を選択します。
2.〈カーニングメニュー〉から「自動」または「メトリクス」を選択します。
OpenTypeパネルを表示します。
1.「前後関係に依存する字形」をアクティブにします。
段落パネルを表示します。
1. テキストの行揃えを任意で設定します。
2.〈文字組みメニュー〉から「なし」を選択します。
「前後関係に依存する字形」をアクティブにした状態でテキストを入力すると、文字はつながる形で表示されます。
入力したテキストの任意の位置にカーソルをあわせます。
字形パレットを表示し、パレットの一番最後に表示されているグリフ「U+200c」をダブルクリックして挿入します。
前後の文字の形が自動的に切り替わり、文字のつながりを切ることができます。
OpenType パネルの「欧文合字」をアクティブにします。
フォントで連綿合字が定義されている文字の並びで自動的に合字が使用されます。
「か、き、け、そ、た、な、に、の、は」の9文字には異体字として変体仮名「可、支、介、所、多、那、尓、能、者」がデザインされています。
OpenType パネルの「デザインのバリエーション」をアクティブにします。
文字パネルを表示します。
1. フォント「NF こうぜい Sp1」を選択します。
2.〈カーニングメニュー〉から「メトリクス」を選択します。
3.〈文字パネルメニュー〉から「OpenType 機能」を選択し、サブメニューから「前後関係に依存する字形」を選択します。
段落パネルを表示します。
1. テキストの行揃えを任意で設定します。
2.〈文字組みメニュー〉から「なし」を選択します。
「前後関係に依存する字形」を選択した状態でテキストを入力すると、文字はつながる形で表示されます。
入力したテキストの任意の位置にカーソルをあわせ、[書式/特殊文字の挿入/その他]で「結合なし」を選択します。
特殊文字「結合なし」が挿入され、前後の文字の形が自動的に切り替わり、文字のつながりを切ることができます。
〈文字パネルメニュー〉から「欧文合字」を選択します。
フォントで連綿合字が定義されている字の並びで自動的に合字が使用されます。
「か、き、け、そ、た、な、に、の、は」の9文字には異体字として変体仮名「可、支、介、所、多、那、尓、能、者」がデザインされています。
〈文字パネルメニュー〉から[OpenType 機能/デザインのセット]で「セット1」を選択します。
仮名書体「こうぜい」
OpenType ver.1.000
*Adobe InDesignやAdobe Illustrator等のOpenType機能が使用できる高度なレイアウトアプリケーションでの組版を前提としています。
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